+ クレヨン +




「センセ、これあげるよ」
差し出された画用紙に描かれているのは彼の似顔絵。

「これは?」
「うーん?なんかね、いもーとが俺の部屋で落書きしてたみたいで」
「で?」
「クレヨンとがよーしが転がってたから描いた。似てっしょ?俺に」

画用紙に描かれた黄色い頭の子。

「俺が傍にいらんない時も、コレで寂しくないっしょ?明日から俺修学旅行だしねぇ〜」

「ありがとう、芥川。」
「ん、じゃあ行ってくるね、センセ」

にかりと笑ってキスをして、何事も無かった様に部屋を出て行こうとする。
「お土産は、俺ね?」

そして彼は、ばいばいといって扉を閉ざした。



クレヨンで描かれた彼は、いつものようににかりと笑った笑顔だった。




20050126