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毀れた弓
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ったん
放った矢は的を射ず、弓は俺の手に握られていた。
「朽ちてたんだ、もう」
手に握っていた弓は壊れ、もう、矢を放す事はできそうもなかった。
「ごめん・・・俺は、結局全て、中途半端なままだった・・・」
涙も出ない、感情も溢れてこない。
制服に着替えてから、弓道場を後にした。
「だからせめて、この恋心だけは、最後まで貫くさ。」
必死で上を見る後輩に。
いつかこの弓も壊れてしまっても、矢を放とうと思った。
できれば、この想いまで、壊れない事を願いながら。
20050205