+ かみなり +



あの人の望む 世界は 平坦と言える ものでは 無いのです。

言うなれば だだっ広い草原に 一人 木を 植え育てるような 事なのです。

ただ一人で 育てているその木は いつだって 雷や 色々なものの恐怖に 怯えています。
あの人は その恐怖から その身一つで 守ってやれねばならない のです。

でも あの人の優しさは けして 甘いものでは ない のです。
憎まれ そしられ それでもあの人は 懸命に、いつか育つ 木を 守り続けている のです。
とても 分かりにくい、不器用な、あの人なりの 優しさ。

育つ木に 強くあって 欲しいから、あの人は 己にも 強さを求めているのです。

あの人は いつでも、あの人の守る木が、雷のような 理不尽な力で、燃やし 壊される事を 危惧し、守れず壊れてしまった木に、何も いわず、何も 流さず、ただ、酷く 心を痛めて いました。
自分は だから、雷に 動じない強さを、自分自身に 求めました。
この身に 雷を 浴びてしまったとしても、壊れない 強さを。あの人を 哀しませない強さを。



あの人の望む 世界で どうか、あの人を 守れる強さを




20050205