+ シャム双生児 +



ねぇ みなみ、と、いつもの笑顔の空っぽな表情で、抱きついてきた。

「例えば歪な形でも、南と一つで生まれて来れたら、俺たち、こんなに悩まなくてすんだかな?初めから一つだったら、誰にも非難されないですんだのかな?」
今したばかりの気だるい身体でひっついて、泣き顔みたいな笑顔で俺に聞く。
俺には、何を言えばいいか分からないから、率直に言った。
「何も言われないけど、でも、抱き合えないぞ?」

腹の上に乗ってきて、えへらえへらと笑う、いつもの千石清純。
「そうだね、うん、やっぱり一人ずつ離れて生まれてラッキーだったんだね。」

酷く俺たちに優しくない世界で、どうか、俺達はそれでも別々に生まれてきた幸運に喜ぼうと思った。




20050216