+ はさみ +



自分で切った髪を、長太郎の姉ちゃんが切ってくれた。
綺麗に整えてくれて、とてもありがたいと思った。
「また、何かあったら切ってあげるわ。亮くんの髪、すごく綺麗だから」
俺の兄貴の知り合いで、俺の後輩の姉だから、当たり前のように俺の名前は知ってる人。

「ありがとう」
深くお礼だけして長太郎を連れて部屋を出た。

「長太郎、」
「はい?宍戸さん」

「頭、お前以外に触られるのって、あんまり好きじゃねぇや」

慌てふためく後輩を尻目に、もしこの一言で長太郎の未来が決まってしまったのなら、其れはそれだと思った。




20050222