+ 白鷺 +



一羽の白鷺を、見た。
それは悲しみにくれるような風景の一部だった。



俺の傍には美しい人が居る。
生涯にたった一人の伴侶を失う悲しみを、俺はまだ知らぬまま、ただ、その風景を、なんともいえない気持ちで見ていた。

「日吉?置いていくよ?」





差し出してくれた手を繋いだ。白鷺が一瞬、此方を一瞥したように見えた。




20050331