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+ 手を繋ぐ +
頼るものも何ひとつ無いような世界で、二人ぼっちで歩いていたヘンゼルとグレーテルになんて、俺達はなりはしない。 頼るものがあるのを知って、それでも二人の世界に居ようとした俺と樺地は一体どうなんだろうか? あの童話の、兄妹のように恋人のように、寄り添うように握った手を、放すことなんて出来るのだろうか? 俺達が一緒にいた時間のほとんどを握りあってすごしたこの手を、今更放すことなんて出来るのだろうか? 本当の所は、今も何ひとつ分かりはしない。 兄妹で恋愛するなんて不毛な事なんて、したいとは思わない。 男同士で恋愛をする事以上の不毛な事だって、したいとは思っていなかった。 どちらが不毛なのか、そんな事を決めたいわけでも、知りたいわけでも無い。 ただ、それでも、この握った手を話す事なんて、この先きっと、一度だって出来はしないのだろうと、俺は確かに、思うだけなのだ。 童話を読むたび、いつかは離れてしまうあの二人は、あの甘いお菓子の家で永遠に幸せになればいいのにと、片隅で思うのは、俺の勝手だ。 |