+ 葡萄の葉 +




「葡萄の葉っぱは、大事なものなんですって。」
「は?」

唐突にブドウの話をしてきた長太郎の目には、軒先に生ってるブドウがあった。
「ああ、ぶどう。」
「はい。実があるときは、実を陽射しから護る為。収穫しても、今度は自分達がいい肥料になるために、養分を蓄えるんです!」
「ほー。」

妙に博識ぶりを見せるこの犬は、多分、どっかの関西丸眼鏡に入れ知恵されたんだろうと思う。

「・・・」
「宍戸さん?」
「いや、なんでもない。すげぇな長太郎、よくそんなことしってたな!」
いいこいいこと頭を撫でて、頭の片隅でふっとおもう。

俺の成長の為に犠牲とすら言いかねない行為を軽々とこなす。
ああ、なんとお前のような生き様だろうと。




20050709