+ 子馬 +



まだエリザベートが生まれる前から、樺地は俺と一緒にいた。
エリザベートは、生まれたときから樺地を知っていた。

気位の高いエリザベートは、俺以外に全てを赦し、その背に乗せようとする事はなかったが、唯一樺地にだけは、その美しい鬣をなでる事を赦し、傅く事を厭わずにいた。

今もその理由はわからないが、エリザベートも樺地を愛してくれている。それだけ分かれば十分だと思った。
エリザベートだけでなく、屋敷中のありとあらゆるものが樺地を愛しているのだ。

そう、そしてその中でも、俺が樺地を一等愛し、俺が樺地に一等愛されているのだ。




20050816