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+ 砂礫王国 +
いつだったか、跡部さんが作った砂の城を、俺が壊してしまった。 やけになったのか、跡部さんは、何度も何度も作っていたけど、俺も負けじと壊してしまった。 なんで、そんな事をしたのか、分かってる。 俺の願った事は、砂の城のように儚いもので、そしてその儚いものを跡部さんに作られるのが心底嫌で仕方なかったのだ。 一生一緒に居たいんです。 その願いを、跡部さん本人に、「それは砂の城のようなものだ」と、言われた気がしたのだ。 伝える言葉を知らなかった俺は、ただ首を振って、跡部さんが作る事を拒否し続けていた。 跡部さんは、そのうちいい加減俺の首が疲れるだろうと、砂の城を作るのをやめてしまった。 ごめんなさいもありがとうもいえないまま、俺はただ、言葉ではなく涙を流した。 |