驚くほど足りないのは、君が優しいからじゃないかな?



最近さ、笑いが足りなくない?全部詰め込んで背負い込んでさ、大石、無理してんだろう?
手塚の代わりになるのは良いけど、手塚になる必要なんて無いんだよ?
そう、手塚みたいに、しなくて良いんだ。部活も俺も、今は少し、重荷なんでしょう?

善人のフリして悪を隠してた頃は、もっと、笑ってくれてたのに。
嫌なやつを演じながらその裏にありったけの優しさが詰まってる今の大石は、苦しくて仕方が無い。

手塚のばーか!はーげ!大石はお前の世話女房じゃないんだよ!って、いーなんてしても、むなしいわけですよ。
「むー・・・。」
なので、ココは一つ、英二君、がんばってみたいと思います。



「・・・ワレながら、芸術的じゃにゃーい☆」
自画自賛しつつ、さっくりお届けしようと思い立つ。
あ。でもちょっと待って、うーん・・・。

ま、冷めてもなんとかなるっしょ!



「ちょーっと大石んち行ってきまーっす!」
手の中に、大事に抱えて、大石の家まで宅配便。本気出せば10分で着くんじゃない?
「にゃっははー・・・
    激☆本気!」



どうしよう、俺、神尾に勝てそじゃん。ありえなくない?って速さで大石の家の前に付いて、チャイムを鳴らす。
「はーい」
って出たのは小母さんだった。
「あら、英二君こんばんわ。」
「こんばんわ!あ、大石にこれ渡してくれるかな?」
「会ってかないの?」
「うん、いい。なんかちょっと、恥ずかしい」
あははって笑ってごまかしてたら、小母さんが渡したものの中をひょいとのぞいた。
「あっついうちに届けるわ。ありがとう、秀一郎専用のデリバリ屋さん。気をつけて帰りなさいね?未来のお嫁さん!」
と、くすくす笑いながら見送ってくれた。

「はーい!」
って手を振って走り出す。ちょっとでもさ、楽になって欲しかったんだ。俺は大丈夫だよ?って。手塚帰ってくるまでは、俺の面倒見なくていいよって。



たまごふわふわ、巨大オムライスの上に、俺は平気だよ。愛してるかんね☆って、かいた。真ん中に、ハートも書いておいた。
俺の手は、今だけ放して良いよ。そのかわり、少し楽になったその現状で、今俺に足りないもの、見せてよ。
俺、それだけで、暫くはいいよ。
そのかわり、手塚帰ってきたら、いっぱい甘えてやろうって、大石が恥ずかしがるくらい甘えきってやろうと、ちょっと綺麗なんじゃない!一番星!とか言いながら、不敵に想った。










20040214
今朋 獅治

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