少し背伸びをしてみたいだけなのかもしれない。










んの少しの背伸びと、の後に続く日常



女性がハイヒールにあこがれる時期ってのはあるものだ。

大人の女のステータスだと、どこかで思っているのかもしれない。

まぁ何にしても履く事に意義があるのだろう。

一生懸命背伸びをして、如何しようと云うのだろう?

実際履いてみると、其れがどれだけ窮屈か。

いつしかそれはジレンマに。戦いが終わらなければ脱ぐ事も叶わなくなる。



「ねぇ、海堂。君はそれでも、履いてみたいと思うかい?」

「はぁ?」

「子供から見たら、其れは大人になる魔法みたいなもんなんだよ。」

「はぁ。」

「君は、無理して背伸びして、大人のフリをするかい?」

「別に・・・」

「え?」

「別に・・・俺はローヒールで善いっす…。」



たぶんね。君がそう言う事くらい分かってたんだ。

それでもね、君が俺を置いて何処かに行ってしまうかもしれないから・・・。

大人のフリをして、そのまま俺を置いてってしまわないように。



「でも時々なら・・・アンタが支えといてくれるなら、ちょっと履いてみても善いっす。」



「俺は、アンタを置いていかない。」



「え・・・」

「アンタを置いて、俺一人でどっかになんて行かねぇ」

「海堂・・・」

「何すか?」

「気付いた?」

「分からないとでも?」

「いや・・・。」



笑い出してしまった俺を、拗ねた様に見る君が愛しい。

そんな君を見ながら、

本当は、ハイヒールを履いてるのは俺の方なのかもしれないと思った。

君に見放されないように 君が傍に居てくれるように。



結局は、背伸びしてることに気がついて、慌てふためいてまた日常に戻っていくという事だ。

だから 時々大人のフリをして

其の後の幸せな日常をかみ締めよう。











20030201
今朋 獅治

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