海に月。僕に君




吹かれて零れるような。

繊細な貴方の

その場に居ようと必死な姿。

波紋の月の貴方に似合う

そんな

貴方を受け入る其の海に

俺は酷く

嫉妬した。



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夏休みの終わりに、二人で海を見に行った。
単車を転がして。振動に愛を感じながら。腰に回る腕に愛しさを覚えて。
着いたのは暗い海だったのだけど。

とても綺麗だった。

邪魔なものの何一つ無い其の海にぽっかり浮かんだ月に。
酷く魅かれた。

一歩。また一歩。

海に近づく俺の身体は、腕をぎゅっと掴まれた。
「何?」
「あんたが、月に連れてかれる気がした。」
どうしてこの子は解るんだろう?
普通この場合海に連れてかれるって思うもんじゃないのか?
「どうして?」
「違うんならイイんすよ。」
どうして・・・。

「海堂。キスされるときは目ぐらい瞑りなよ。ムードないでしょ?」

「俺は何処にも行かない。誰にも近づけさせない。包んでもらうなら、あんただけで善い。」
真っ直ぐに俺に響いた其の言葉。
「どうしてわかるのかな・・・?」
「あんたが、あの目で海を睨んでたから。」
「あの目?」
「俺が、桃城や手塚部長と話してる時にこっちに向ける目。痛いくらい向けられる目。」
「そう。」
「無意識だったんすか?」
「わからない」
だって俺は今も昔も、自分が理解するのは行動を起こしてから。
そうやって君を手に入れたんだから。

ごめんね?

何バカ言ってんすか…

暗闇の中、この行為を見てるのは月と海だけ。
そして俺たち。

もっと深く愛し合おう。アイを繋げて、このまま遥か、月も全てを追い抜いて、
月より綺麗な君を、海より暗い俺が侵食するよう。



更けてく夜に貴方と二人。
吸った煙草が胸に滲む。

俺は貴方を受け入れられる?
俺は貴方の海でイラレル?

海に浮かんだ月の様に
ただ俺一人に浮かんで欲しい。

貴方のように見えゆる月に、
醜い嫉妬をせぬように。










***

リハビリ作品。ビバ乾海☆
月と海と桜と煙草は私の中のキーワード。
再確認。
でも、この話桜は無い。
そして、小説というには短いような…?



20020915
今朋 獅治

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