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海に月。僕に君 吹かれて零れるような。
繊細な貴方の その場に居ようと必死な姿。 波紋の月の貴方に似合う そんな 貴方を受け入る其の海に 俺は酷く 嫉妬した。 +++++ 夏休みの終わりに、二人で海を見に行った。 単車を転がして。振動に愛を感じながら。腰に回る腕に愛しさを覚えて。 着いたのは暗い海だったのだけど。 とても綺麗だった。 邪魔なものの何一つ無い其の海にぽっかり浮かんだ月に。 酷く魅かれた。 一歩。また一歩。 海に近づく俺の身体は、腕をぎゅっと掴まれた。 「何?」 「あんたが、月に連れてかれる気がした。」 どうしてこの子は解るんだろう? 普通この場合海に連れてかれるって思うもんじゃないのか? 「どうして?」 「違うんならイイんすよ。」 どうして・・・。 「海堂。キスされるときは目ぐらい瞑りなよ。ムードないでしょ?」 「俺は何処にも行かない。誰にも近づけさせない。包んでもらうなら、あんただけで善い。」 真っ直ぐに俺に響いた其の言葉。 「どうしてわかるのかな・・・?」 「あんたが、あの目で海を睨んでたから。」 「あの目?」 「俺が、桃城や手塚部長と話してる時にこっちに向ける目。痛いくらい向けられる目。」 「そう。」 「無意識だったんすか?」 「わからない」 だって俺は今も昔も、自分が理解するのは行動を起こしてから。 そうやって君を手に入れたんだから。 ごめんね? 何バカ言ってんすか… 暗闇の中、この行為を見てるのは月と海だけ。 そして俺たち。 もっと深く愛し合おう。アイを繋げて、このまま遥か、月も全てを追い抜いて、 月より綺麗な君を、海より暗い俺が侵食するよう。 更けてく夜に貴方と二人。
吸った煙草が胸に滲む。 俺は貴方を受け入れられる? 俺は貴方の海でイラレル? 海に浮かんだ月の様に ただ俺一人に浮かんで欲しい。 貴方のように見えゆる月に、 醜い嫉妬をせぬように。 *** リハビリ作品。ビバ乾海☆ 月と海と桜と煙草は私の中のキーワード。 再確認。 でも、この話桜は無い。 そして、小説というには短いような…? 20020915 今朋 獅治 禁 無断転載 |