U 奇跡ノ価値ハ・・・

@ 不良優等生ノ成績




もう、心は死んでいた。俺だけが憶え続けていなければ為らない責苦に。この星に
云われるままに、相手の記憶を消していた。正確無比に。
心を殺してしまえば、地球にいてあれほど嫌に為ってしまった此の任務も、案外慣れてしまえるものだ。寧ろ楽しくすら為ってくる。
ああ、人が壊れるなんて案外簡単なんだ。
・・・違うか・・・俺は器械なんだから・・・。

何人・・・何百人・・・何千人・・・
俺は果たしてどれだけの人の大切な記憶を奪っているのだろう?
もう、数えるのも馬鹿らしくて。そんな事数えてもいない。
分かっている事実は、俺は罪を重ねている。と云う事位だ。

神様なんか信用していない。
けど、もし居たとして、俺はそいつに許しを請わない。
そいつになんか許してもらわなくていい。俺の罪を許せるのはあの人たちだけだから。
大体おかしくないか?なんで被害者にじゃなくて第三者に許しを請うのだ?
本当にそいつを許してあげられるのは、被害者だけだろう?
本人に言えないからって他人に謝るなよ。馬鹿。




何年経ったのだろう?
ある日、何時ものように多くの人の大事な記憶と、命の入れ物を壊して帰ってきた日。
「ダブル・アイ・エス・エイチ。君の仕事ぶりに、王も大変ご満悦だ。よって、王直々から君に表彰があるそうだ。」
といわれた。
俺にはそんなもの要らないし、如何でも善かったから
「ああ。そうですか。」
と周りの賞賛と嫉みの眼に晒されながらそう云った。
・・・馬鹿らしい・・・何で人を壊して誉められなきゃ為らないのだ・・・?
誰にも言わない本心を胸に、俺は式典に出向いた。
罪人のみせしめだろう?と皮肉を込めた眸と一緒に・・・