わからないわからない。

何を持って彼が笑うのか。

其れは今もって解析不能。



考察に続く結果。




「どうかしたの?不破君…」

不審な視線を感じて風祭将は後ろを振り返った。

「いや、なんでもないが?」

いや、何でも無くないだろうが・・・
周りは皆そう思ったが、彼にしてみれば、其れはいつもとなんら変わりないので、其れは其れで善いらしい。

今までの人生(と云っても大して生きても無いが)のなかで、こんなにも理解不能なことにあっと事も無い。
常に解析してきた。
解らないことなど無いと信じていた。
例え在ったとしても、其れはけして解けないという事は無いと思っていた。

何故、こんなちっぽけな人間の事で悩まねばならないのか?

「変な不破君。まぁ善いや、早く練習に戻ろう!」

また、太陽の様に微笑まれて、どうしたら善いのか分からなかった。
「うむ。」
精一杯の言葉。
彼は、取り合えず今は練習に専念する事にした。



―練習後―

「風祭。」
「え?何?水野君」
「ちょっと用事がある、付き合え。」

そう言って着いた先はいつも風祭が一人で練習していた河原だった。

「それで、水野君どうかしたの?」
「風祭は何でいつでも笑ってられるんだ?」

そう。何も彼がどうして常に微笑んでられるのか気になっていたのは、不破大地・彼一人では無いのだ。
水野竜也・彼だって気には成っていた。

「僕は・・・嬉しい時は嬉しいから笑うし、楽しい時は楽しいから笑うよ。其れに・・・」
「それに?」
「好きな人の前なら、尚更笑ってたいんだ。辛い顔なんか見せたくない。一緒に笑いあいたい。」
「そうか。」
「水野君は?水野君は違う?シゲさんに笑ってあげたいと思わない?」
「なッ…!…気が付くと怒った顔しか見せてないかもな。」
「其れは…多分シゲさんが悪いんじゃないのかなぁ・・・」

「うっさいよ。ポチ。」
「シゲさん!」
「俺の大事なひぃさん迎えに来た。もうええか?」
「迎えに来い何て言ってないだろう?!」
「さよか?」
「そうだよ!」
「さよか。」
「…ばーか…。」

胸をとんっと叩いて、其の腕の中に飛び込んでいった其の顔は何とも艶やかだった。



何時になったら、彼は自分が微笑む理由に気が付いてくれるのか?

いつか、笑顔の意味に気がつく日が来るのかもしれない。
ああ、でもそうなったら。
自分の気持ちはばれてしまうんだよな。

いつか、いつか其の考察の先に結果が見えたら、
僕は彼のように、好きな人の胸の中で微笑む事が出来るのかな?



そして、彼の想い人が、考察の先に結果を導き出すのは、
後ほんの少し先のお話。










***

リクが不破将だったのでなにやらこうなりました。
むしろシゲミズみたい・・・

いや、なんかもう、最近の私甘い話になる傾向が…。
もしかして想像と違う物になってたら本当ごめんなさい!



2003
今朋 獅治

藤痲様
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