めろういえろう





100飛んで8回目の屋上青空教室in温室。



うちのガッコは屋上が生徒に解禁されてるのがすんごく素晴らC。
其れもコレも、屋上にせせこましながらも温室があるおかげ。

大きな鳥かごのような作りの丸い小さな温室。
昼休み、さすがに槍とか降ってなきゃ、大概滝は屋上の此処に居る。そんで麗かな午後を過ごしてたりする。

天気のいい日は男子テニス部の大半がそろったりもする。

でも今日は曇りだからきっと皆来ない。
滝に話を聞いてもらうには絶好の日和。



「あのね、滝」
「んー?何?慈郎」
表情はいつもの笑顔。視線は読んでる小説から放さないまま。ただ声だけが俺の呼びかけに答えた。
「カントクにおっさん臭いって言ったら、こうきゅうな大人の香りになった。」





はぁ?

って、視線は俺に来て、更に、珍しく滝の笑顔が壊れた。

変な顔。

なんか、跡部みたい・・・って言ったら、
「それ、絶対跡部の前で言っちゃダメだよ?」
って念を押された。うん分かった。滝がそう言うならきっとそれが正しいんだと思うから言わないでおく。

「まぁいいんだけど、え、おっさんくさい・・・?榊監督もう既に四十越えてるんだから仕方ないんじゃないの?」
「うん、仕方ないんだけど、滝にみたいにはとてもじゃないけど自分から抱きつきたいと思えるような匂いではなかったので、ちょっと諫言してみました。」
ごろごろと猫が甘えるように。
俺は滝の傍に来るとなんかこう、和む。ごろごろする。滝に引っ付いて話を続ける。
「なんかね、人工物のいい匂いなの、カントク。すげぇよ。滝もくんくんしてみなって!」
「いやだ。」
滝に引っ付いてる俺を撫でながら即答。ちょっと酷いC
「いやなの?!」
「何で俺が、好き好んで監督の匂いを嗅ぎに行かなきゃ為らないの?そもそも」
「そもそも?」
「匂いを諫言できるほど、慈郎はいつから、監督と仲良しになったのかな?俺はそっちのが気になるな」



滝の笑顔はきれえ。
だからついつい、何でもしゃべっちゃう。

「この間、カントクがおいでおいでしてくれたでしょう?」
「ああ、跡部が呼んできて。」
「うん。そしたらね、カントクずっと一緒に居てくれた。」
「ふーん?」
「ひょいって、抱っこされて」
「ひょい?」
「あかちゃんとか、抱っこするみたいに!片手で!ひょいって!まじまじすっげぇーの!」
「あー、うん。で、抱っこされたの?」
「うん。」
「で?」
「で?」
「抱っこされて、それで?」
「ああ!うん。そんだけ。」

「そう」
別に責めるわけでもないけれどとても簡素な応答。
「それ以来、寂しいなぁって想うと、大概、カントクが傍に居てくれんの。てゆか、俺から行っちゃうんだけどね?」
「そう」
変わらず優しく撫でてくれる手。
「行くと左手がね、伸びてくんの。抱きついていいぞって言ってるみたいで、なんか、すっげぇ」
「そう」
ふわふわとしてるのにどこか強くて安心する空気。
「だけどね、滝みたくあんましいい香りじゃないので、言ってみた。ら、すっげぇいい匂いなの。」
「そう」
すっげぇいい匂いの滝。

「でもね、ほんとはね、」
「好きなんでしょう?」
「うん。カントクの匂い、嫌いじゃない。ちょっとね、イジワル言ってみたかっただけ」

「大丈夫、別にわかってるさ。だって、俺達の監督だもん。ちゃんとあの人はみてるから。怒ってないよ。行っておいで慈郎。背中、押して欲しかったんだろう?」

「滝は俺に優しいね?知ってるよ?滝、俺以外のヤツには自分から手なんて貸さないの」
「そうでも無いよ。俺はいつだって優しいからね。」

ほら、早く行っておいで?昼休み、終わっちゃうよ?って、いつだって欲しい言葉を投げかけてくれる。

ありがとね!って言ったら、ふふって笑った。滝は、いつだってきれえ。
その笑顔のまま、いい子いい子してくれた。滝にされるのはすっげぇ好き。
嬉しくてまたぎゅって引っ付いたら、いってらっしゃいって、背中を押された。





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「あのね、カントク。できれば、滝がきれえなの知ってて、優しくして甘えさせてあげられる人があらわれるといいなって想うんだ。俺」
「そうだな、きっと、現れるさ。あんなに、あいつは綺麗なんだから」
「カントク」
「何だ?」
「俺以外を、あんまし褒めちゃだめだかんね?」
それは触れるだけの軽いキス。だって、滝を褒められて嬉しいけど、すげぇ妬けたんだもん。

「ね。」
「うん?」
「俺、いい匂いでしょ?それに、キスも上手になったと想わない?」

戸惑う眼の前の大人の男に。
対抗手段はこの身一つ。





I'm mellow yellow, am not I ?










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20050206

212hitありがとうございます。