「天国の扉って何処にあるんだろう?」
「そんな事知ってどうするんだ?」



其れが始めの一言。
でも知りたかったんだよ。もし其れが存在するなら、何かあったとき、間違い無く逢いにいけるじゃん。






Knock on the heavens door





「越前君は天国に行きたいの?」
そう尋ねたのは青学男子テニス部で天才の名を欲しいままにしている男・魔王不二周助。
「でも、手塚を追いかけるなら、地獄じゃないの?」
あはは。と笑う其の姿は、その場の空気を少なくとも3℃は下げただろう。
「何でもいいんだ。別に。ただ、其の扉の奥にあるものを知りたい。もしかしたら、其処は悪魔がいるかもしれないし。」
にやっと笑った顔に、その場にいた者たちは、凍りついた。
「いいから早く帰れ。お前たち・・・」
鶴の一声で、固まっていた彼はようやく氷の中から救助された。





帰り際に、不二先輩が耳元で囁いた。
「扉を叩く方法なんて幾らでも在るんだよ。君が出来るなら。いってごらん。天国に連れてって、って。」
「え?!」
振り返った其の先には、艶やかな顔をした不二先輩が、河村先輩と並んで歩いていた。



++++++++++ + ++++++++++

部長のベッドは部長の匂いがしてなんか落ち着くなぁとか、だらだらと、俺は部長の家に居座っていた。勿論学校帰りに。
あっそうだ。と思い出して、俺は言葉を吐き出した。
「ねぇ、部長。俺を天国に連れてって。」
まさに火を点けようとしていた指は、ぽとりと煙草とジッポを落とした。
「本気か?」
其れが合図だったのかな?
のそりと部長が動き出した。ナニをするのか解らないけど、近づいてくる部長の顔に、俺は欲情した。



―扉を叩く方法なんて幾らでも在るんだよ。君が出来るなら。いってごらん。天国に連れてって、って。―

ああ、つまりこういうことか。
コンナ事されるのは初めてだった。いつも理性で感情をコントロールするこの人は、俺に何もしてこないから。
俺が求めれば別みたいだけど。でも、俺は求めてもキスまでだったから。身体の関係って奴はほぼ無かった。
いやじゃない。いやじゃないけど。

きしむスプリングの音が、酷く扇情的だった。



発かれた扉の奥には、何も無かった。天子も悪魔もいなくて、羽を生やしたものなんて何処にもいなかった。
ただ、白い光が俺を包んだ。
甘い言葉に、溺れた。



まどろむ意識の中、
― I knock on the heavens door ―



最後に見たのは、手塚国光の妖艶な顔。










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2002
今朋 獅治

斗麗 凛様
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