「かばじ」
「あとべ、さん」
「かばじ・・・」
唇なんて触れなくても良い。身体なんてつなげなくても良い。
「あとべ・・・さん・・・」
硝子越しの手のふれあい。
絡めている。確かに。温度は、伝わらないけれど。
「かば・・・じ・・・」
ああ、ああ、なんて・・・
なんて、愛しいのだろう・・・。
切なげに細められたその眼が、
憂いを秘めて返すこの手が。
触れられないのに。こんなにも絡む。
「だから・・・」
だ か ら こ の て を 、 は な さ な い で ?
20040926