連れて逝かないで。

たった一つの願いすら叶わなくて。

運命を呪い、無力な自分を呪った。

一緒にいると約束したのに。

俺には、約束を破る事など出来なくて。

君に逢いに往った。




TO DANCE WITH THE WHITE DOG




其れは幸せな風景。
良くある日常の風景。
大好きな君と・二人でいる風景。
暖かい木漏れ日が包んでくれる。
寂しさも・嬉しさも。
この部屋には、君との思い出がそこいらじゅうに散らかってて。

「部長煙草吸いすぎ。」
すまない。やめようとは思ってるんだが。
「思ってるだけ?止めなきゃ意味無いじゃん」
そうだな。
「だいたい何が美味しくて吸うわけ?そんなに口寂しいなら、俺を吸ったら?」
煙草の匂い、移るぞ?
「別にいいよ。あんたの匂いでしょ?」
ああ。

差し出される其の舌を絡めとって、
没頭していく行為。

君が居れば、其れだけで善かった。

部室で、俺の家で。
愛を確かめて。
卒業したら、一緒になろう。
俺から君に触れるのは其の時に。

なぁ、其れが俺たちの約束だろう?
「わかってるよ。其れまで俺は好き勝手にするけどね。」
アイシテルから許すけど、卒業したら許さない。
「其れもわかってる。手を出さないだけで、嫉妬深いんでしょ?部長は。」

「手塚部長…」
「海堂…」
「僕達は見てるだけしか出来ないんだね…」
「俺たちには見えない越前に、少しずつ侵食されてるんだよ…」
「あんまりっす…あんまりっすよ…!」
「切ないね…おちびも…手塚も…」
「壊れるくらい、大切だったんだね…。」

ある晴れた日曜日。
彼は幸せな思い出と一緒に、
心を壊して微笑み続けていた。

心を病んで尚、求め続けた願い。
約束は此処に在る。

君に逢いに逝く頃は、彼はもうココに居ない。
彼を見守っていた彼が、連れて逝ってしまうから



***

痛くてもいいということで、またもや死にネタかよみたいな。
今私が痛い人なので、順番前後して仕上がってます。
こんなもので宜しければ、そうぞお婿に貰ってやってください。



2002

今朋 獅治

蒼桐 神楽様
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