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目を覚ましたら、貴方が酷く切なそうに泣いていた。 透明な涙は、貴方の頬を濡らし、俺の腹へと堕ちてイク。 冷たくて、でも暖かくて、 俺は非道く困った顔をしてしまった。 「ごめん…海堂…ごめん…。」 この人が何に謝っているのかさっぱりわからなかった。 どうしたらこの涙を止められるのか。 其ればっかり考えていた。 其の涙を拭いたくて、ゆっくり腕を持ち上げた。 撫でても撫でても、後から後から止まる事を知らない涙を、俺は拭ってあげる事は出来なかった。 止まらない嗚咽は、其れでも尚俺への謝罪だった。 「…ごめん…愛してごめん…」 どうして愛してくれた事を謝るのだろうか? もう、俺は要らなくなったのだろうか? 愛した事を後悔するなら、アンタが俺を壊せばいい。 俺の体の隅々まで、 アンタはデータを取ってるんだろう? アンタが其れを他の奴に教えれば、俺はきっと狂喜に狂うんだろう。 でも俺は、それでもあんたを許し続けてやる。 何にも変えがたい屈辱すらも、この身に収めて受け入れ続けてやる。 知ってるんだ。俺は。 アンタは俺が許してしまえば、よりいっそう苦しむ事。 憎んでやったほうが楽なんだろうな。 でも、俺は、アンタを許容してるから。 ごめん先輩。 俺はアンタを本気で憎む事など未来永劫出来ないんだ。 この身を失くしても、其れでも、きっと… 月が歪んで見えたとしても。 動かない肢体
綺麗な死体 その身体に俺を収めて、収縮なんかしやしない。 一生懸命海堂のモノをしゃぶり尽くしても、俺の唾液で濡れるだけ。 一向に其の先から雫は零れてくることは無い。 身体じゅうにキスをして、其の唇も其の奥も、ひたすらずっと愛しても、 君の鳴き声は聞こえてこない。 後ろに指を這わせて、丹念に解していく。 ねぇ海堂。動かない身体で、君は何を思うの? さっきから、この目にある水が、君の腹や足を濡らしていくんだ。 君の事だから、辛い其の身体より、俺の眼から零れる水を気にしてしまうんだろうね。 わかってくれるかな? 愛あるSEXなんだ。是も。 是すらも。 ねぇ、海堂。俺はね、こんな君すら愛しいんだ。 動かない其のシタイで、 それでも俺を拒みはしないだろう君が。 是で少しは怒ってくれる? 最期に一度くらい、俺を許さないで…。 いつから? どこから? 俺は壊れた? 俺は狂わせた? 初めて遇ったあのときから? 狂おしいほど愛して、触れさせる事すらしたくなくて、 俺以外の何をも興味など持たせたくなかった。 君が外を知る前に、壊してしまえば… 君のその胸から、力強い鼓動はもう響かない。 俺への鐘は、もう、尽きてしまった。 きっと君は、こんな俺すら許してくれるのだろう。 きっと君は、こんな俺すら慰めてくれるのだろう。 俺を責めてはくれないのだろう。 だからせめて、 同じ所には逝けなくても… 同じ処に一緒に逝こう 見上げれれば、其処には月が煌煌と光っていた。 水面の底に沈む俺には、 其の月すらも歪んで見えた。 一緒に沈んだ貴方も、 もう、見えない +++++++++++++++++++++
恋は盲目 ・・・駄目ですか・・・? 何をしても許してくれるのって、 ある種の拷問ですよね? 20021003 今朋 獅治 禁 無断転載 |