「「さぁどっち?」」
其れは部活前の日常茶飯事



『仁王』はけらけら笑いながら言う。
『柳生』は不服そうに言う。



「今日はわしが柳生で」

「私が仁王くんでした。」

毎回の事とはいえ、呆れ返ってしまう。

「眉間に皺を寄せてはいけませんよ?仁王くん」
ぐにぐにと眉間を押される。自分と同じ顔に。

「もう、顔洗っても良いですか?」

「よいけど、私は落としませんよ?」

「いいですよ、それで。」

仁王くんの扮装をしていた本物の柳生比呂士は、顔を洗ってコートへ戻る。

「や・・・やぎゅう・・!?」

は?何ですか?と驚き戦慄いている丸井君のもとへ寄ると、ひっ!と小さく悲鳴を上げてジャッカル君に飛びついた。

「だってさっき、お前、俺の大切なおやつ、にこにこしながら食った・・・!」

ああまた・・・。

「私の偽者ですよ。それ。貴方も心当たりがあるでしょう?私は今の今まで、顔を洗ってたんですから。」

今にも泣き出しそうな気の毒な丸井君の為に、

「『柳生くん』ダブルスの練習をします。早く出ておいでなさい!」

コートの中で声を張り上げて呼んで差し上げれば、

「なんですか?私は此処に居りますよ?」

と、嬉々として彼は出てきたので、

「さぁ、ちゃんと制裁は受けてもらいます。」

このコート上で、しっかりとその罪をあがなってもらう事にした。









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20040802 16:00