どんな人でもとは言えない。
でも、少なくても自分は違う。










一時間近くぶらぶらと中華街を歩いた。

山下公園に着いて、特に何をするわけではない。

しっかり握った左手は、離れる事無いまま。

「今日は楽しかったのですか?」

少し意地の悪い聞き方だと想った。

「おお、楽しかったぞ!」

その格好に少し似合わないその言葉遣い。

「貴方の居た方言ではないんですよね・・・」

「そうじゃよ。でたらめだ。本音を隠す、良い道具じゃ。」

にこり笑いかけて、初めて手を離した。

「に・・お・・・」

するりと私をすり抜けるように、柵の傍まで走っていってしまった。

「なぁ柳生?」

柵に寄りかかる。表情は逆光で見えない。

「主もこちらへ、来ぬか?」

すらりと伸びてきた腕。

際まわで来いと云うのだろうか?

絡めるように繋いだ指は、

「仁王・・くん・・・」

其処から皮膚が粟立つ様な感覚。

眩暈がした。

ふらりとした自分は、仁王くんの肩にもたれてしまった。

抱きとめてくれた彼の、その表情は垣間見れない。









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20040802 22:00